「ホステス」という言葉で定義される仕事は、クラブなどの大人がお酒を飲む場所で、お客様の隣に座って酒を飲む相手をする仕事、ということになります。

これだけを書くと、たとえばキャバクラ嬢もホステスか、という話になりますが、大きな枠組みで言えばそうですが、常識的な線で言うとその2つには大きな違いがあります。

それは、キャバクラ嬢はお客様の側に多少なりとも「下心」があり、場合によってはそれに応じてくれる、という一方で、ホステスはそういうことが皆無とは言いませんが、ほぼ仕事の内容の9割は「酒席でとにかくお客様を気持ちよくさせる」ということになります。
ですので、ホステスの仕事は非常に努力と訓練が必要です。

まず、クラブに来る男性の客層は、半分以上がビジネス客です。中には、水商売系、暴力団系、スポーツ系などのお客様もいますが、割合としてはビジネス客、すなわち接待などで複数のビジネスマンがそろって来店するという方が多いです。
そういうビジネス客を酒席で気持ちよくさせるためには、相手の心の状態を増す把握することが必要です。ビジネス客はだいたい、仕事などのことが原因でストレスを抱えているか、
仕事のことを誰かに話してほめてもらいたい、認めてもらいたい、というかの2つに分かれますので、その2つに応じられるようにしなければなりません。

まず、ストレスを抱えているビジネス客の場合は、徹底して相手の話を聞く、そして否定せずに相手を励ましたり慰めたりする、ということがスキルとして必要です。

これはほとんど「母性」といってもいいくらいの寛容さと慈愛で接しなければなりません。
また、ビジネス上の成功などについてほめてもらいたいお客様の場合は、これも徹底して相手の話を聞くことが大前提ですが、それと同時に相手の仕事内容を理解したうえでほめることが必要です。

人間は頭の悪い人にほめられるよりは、頭のいい人に褒められた方がよりうれしいので、単純にほめるよりは、相手のビジネスの話を理解し、その背景となる経済環境もわかり、場合によっては自分の意見や感想をさしはさみながら、そのうえでほめることが必要です。
ですので、こちらの方がよりスキルは必要です。

いずれにしても酒席で「精神的に」気持ちよくさせるのがホステスの仕事です。